有機肥料と無機肥料の違い

有機肥料は有機物を原料とした肥料。有機物は時間をかけて分解され、無機物となり、その後植物に吸収されるため即効性は低いが、 そのかわり土壌に長期間蓄積される。有機肥料という言葉のイメージから、有機肥料を施用すると、植物は有機物を吸収し、 栄養源として利用しているという誤解を招くことがしばしばあるが、植物は基本的に無機物を吸収し栄養としている。 また、有機肥料を施用する事と、有機物を施用することも混同されがちであるので、注意が必要である。 有機物により土壌内の微生物に栄養分が与えられるため、無機肥料よりも土壌に良いと考える人もいる。 ただし農業は肥料だけでおこなうものでないため、一概に有機肥料が無機肥料より優れているとはいえない。 例えば、完熟していない有機肥料では悪臭、ガス発生、害虫発生等の問題が発生することがある。

無機肥料は無機物を主成分とした肥料で、工場で化学的に生産されたものが中心であるが天然の鉱物もある。
また 炭素をその組成に含んだものと理解する場合もあり、その場合は尿素を有機肥料とする。多くのものは、
水にとけやすく即効性があるが、同時に流れやすくもあるため、定期的に肥料を追加する必要がある。また有機物の量が少ないため、
長期間使用すると土壌障害の原因となる。
悪臭、ガス発生、害虫発生などの問題は発生しない。
無機肥料の持続性無さの欠点を克服するものとして遅効性肥料がある。
これは肥料を樹脂、硫黄でコーティングしたものであり、コーティングの厚さにより有効日数
(1ヶ月~1年程度まで各種)が調節されている。また、窒素に限れば、硝化抑制剤などを尿素と混合し遅効性としたものもある。
追肥するのが困難な道路斜面、治山、砂防の現場の緑化資材として開発されたが、その手軽さから園芸資材としても広く普及している。
有機肥料のメカニズム

有機肥料は、作物の生長に欠かせないタンパク質を、より効果的なメカニズムで供給しています。
有機肥料は、土壌菌により、固形タンパク→水溶性タンパク→ペプチド→アミノ酸→アンモニア→硝酸と分解されます。
従来の農学では、無機質である硝酸まで分解されないと根から吸収されないとされていました。
この考えに基づき、硝酸を大量に供給するように設計された化学肥料が重宝されてきました。
しかし、近年の研究により、水溶性タンパク、ペプチド、アミノ酸といった有機物も根から吸収されることがわかってきました。
つまり、有機肥料は作物の生長に欠かせないタンパク質を、化学肥料より効率的なメカニズムで供給しているのです。
有機肥料の特徴

作物は、アミノ酸を根から直接吸収することにより、光合成によって硝酸からアミノ酸を合成する作業を省略できます。
したがって、高い成長性を実現でき、天候不順の際にも安定した収量が期待できます。また、繊維が強化されるので、病害虫にも強くなります。
さらに、アミノ酸は糖分やビタミンCなどに変換されるため、作物の賞味が格段に向上します。
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